自分で駆除することはできるの?
シロアリによる食害の進行が著しい場合は、業者に見てもらったほうが確実です。しかし、高額なので「自分でなんとかしたい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。被害がまだ初期段階であれば、自分でシロアリ駆除できる場合もあります。早期発見のために、まずはシロアリ被害をチェックしてみましょう。
自分でシロアリ駆除をしようとする場合
道具
薬剤や噴霧器を用意する必要があります。どちらもホームセンターやネットなどで購入可能です。薬剤の価格はピンキリですが1万円以内で購入できるのがほとんど。噴霧器は安いものだと2,000円で販売されています。
シロアリの習性を利用したベイト工法でシロアリを駆除する場合は、ベイト剤を注入した餌木を入れておくボトルも買っておきましょう。本格的なボトルを購入する必要はなく、100円均一で売っている筒状の容器でも十分代用できます。
シロアリ駆除に必要な道具は1万2,000円くらいで用意できるので、全体的に安く済ませることができます。確実性はありませんが、試してみる価値はあると言えるでしょう。
装備
薬剤を散布する際は、薬剤が身体に付着したり吸引したりしないようにきちんとガードする必要があります。そのため、マスク・作業着・防護メガネ・軍手・防護頭巾などを用意しておきましょう。作業着は厚手かつ長袖のものであれば、自宅にある服で代用可能です。
防護メガネは隙間があかないゴーグルタイプがおすすめ。薬剤だけでなくホコリからも目を保護するために大事な役割があるため、作業中は必ず装備しておきましょう。
シロアリを駆除するならどこをチェックすべき?
シロアリが発生してしまったときに処理すべき場所は、大きく3つあります。
家の周り
外からの侵入を防ぐために、薬剤散布や土壌用の粒剤などを撒きます。また、ベイト剤が入った容器を庭に埋め込み、罠を仕掛けるという手段も有効です。
床下
家の周りの駆除作業と同じく、薬剤の散布や土壌用粒剤を敷いてください。床下に潜ることが難しい家では、床下換気口からシロアリ用の殺虫剤を噴射するという方法もあります。
柱
すでに食害が柱の中まで及んでいるような場合は、柱にドリルで穴をあけ、ベイト剤を注入します。その後、柱の木材を食べ進んできたシロアリがベイト剤をも一緒に食い散らかすように。ベイト剤を食べたシロアリ周りにいるシロアリにも効果を発揮するため、巣ごと全滅させる可能性もあります。
シロアリを完全に駆除しようと思えば処理すべき場所がたくさんあり、手間も時間もかかってしまいます。あくまでも素人が行なう方法なので、もし処理が甘かった場合、シロアリ被害はより深刻になってしまうのです。事態を悪化させない確実な方法と言えば、業者に依頼することに限ります。施工前の点検や見積もりは無料で行なっているところが多いので、まずは相談してみるのも良いかもしれません。
自分でできる?シロアリ駆除もメリットとデメリット
DIYが主流になりつつあるお住まいのメンテナンスでは、シロアリ駆除のためのアイテムも数多く販売されています。「あっ、シロアリ!」と見つけてしまうと慌ててしまい、何かできないかと手段を考えてしまいます。お住まいのシロアリ駆除を実施してみようかと考えている方に、シロアリ駆除を自分で行うことのメリットとデメリットを説明いたします。
セルフのシロアリ駆除6つのメリット
「住まいを安全にきれいに維持したい」というのは、マイホームを持っていれば誰もが願うことです。そのため、シロアリの被害を受けているとしたら、できる限り早く処置をしたい、できれば自分でやってみたいと思うこともあります。そこで、シロアリ駆除を自分でやってみる6つのメリットを紹介します。
コストが抑えられる
シロアリ駆除に必要な用品をホームセンターなどで購入し、DIYで作業すると、費用を抑えられます。材料費だけの費用になるので、専門業者を利用するよりもコストが抑えられるのは、最大のメリットです。
自分のタイミングで駆除作業
専門業者に依頼するシロアリ駆除は、スケジュールが決まってしまうことがありますが、セルフで行うシロアリ駆除は、好きなタイミングで作業できます。専門業者の予定もある程度調整できますが、自分で行える作業はいつでも調整することが可能です。
業者が入室しない
調査や見積もり、駆除作業など、専門業者にシロアリ駆除を依頼すると、担当者がお住まいに複数回来ることになります。どの部位にシロアリによる被害が出ているか確認するため、調査とはいえお住まいに入ってもらうことが苦手という場合には、セルフのシロアリ駆除がおすすめです。
子どもやペットにも安全&安心
ベイト工法と呼ばれるシロアリ駆除に採用されている餌は、シロアリの成長を阻害する働きがあり、有毒性の餌ではないので、薬剤よりも安全で安心な作業になります。お住まいのスペースで、子どもやペットが遊ぶようなところでも心配を最小限にすることが可能です。
道具が少なく簡単
指定されている(市販されている)容器に餌をセットして土の中に埋めるだけ!これが、ベイト工法によるシロアリ駆除の方法になります。さらに、駆除のために身につける防護服など、備品等を購入する手間も減らすことが可能です。
元から駆除できる
薬剤を使用するシロアリ駆除は、大量のシロアリ退治に効果がありますが、巣ごとシロアリ駆除を行って元を断つには難しいタイプの作業です。ベイト工法は、シロアリとシロアリの巣も駆除することができます。
これは気になる!セルフでシロアリ駆除の5つのデメリット
かんたんにできそうに見えるシロアリの駆除にも、落とし穴があります。シロアリについての知識や駆除の作業経験もなく、慣れていないと素人では発見しにくいものも数多くあります。セルフで行うシロアリ駆除でも、シロアリ被害の再発を抑えることもできない可能性が高いともいえるでしょう。
そこで、気になるシロアリ駆除で懸念される5つのデメリットを取り上げておきましょう。
効き目が見られないと再発の可能性も
シロアリ退治には、今発生してしまっている被害を止め、完全に駆除する目的があります。しかし、効き目が薄く少しでもシロアリが残ってしまうと、被害が再発してしまい、再度駆除作業を行うことになります。
効果が出るまでのタイムラグが長い
セルフで行うベイト工法は、タイミングが必要です。シロアリが脱皮をするとき効果が出るものなので、ほかの種類のシロアリには、すぐには効かないとされています。作業自体はかんたんに済むベイト工法ですが、駆除効果が見られるまで時間が必要です。
シロアリの種類が多い
お住まいに発生しやすいシロアリは、イエシロアリやヤマトシロアリなど、種類によっては使用する薬剤も異なります。見た目の似ているシロアリの種類を特定し、再発防止や駆除後のメンテナンスなど、プロフェッショナルな知識も必要になります。
シロアリによって効き目が薄い
セルフで行うシロアリ駆除は、ある種類のシロアリに効果が薄く、ベイト剤による駆除効果が見られないこともあります。日本でも増加している外来種のシロアリの駆除が困難な場合もあります。
作業時期は要注意
シロアリは冬の時期は脱皮をしないため、セルフ駆除を冬に行う場合は注意が必要です。作業はかんたんでも、駆除効果が見られるまでは時間が必要になります。
参考:(PDF)国土交通省補助事業 シロアリ被害実態調査報告書
駆除業者に依頼した時のメリット&予算
セルフのシロアリ駆除には、メリットとデメリットがあります。シロアリ駆除の作業は、専門的な知識や経験を必要とするメンテナンスになります。
セルフで行うと、低コストで作業ができたり、自由な時間に行えたりというメリットもありますが、再発する可能性も考えておかなければなりません。そのため、セルフで行うシロアリ駆除は、「応急処置」や「被害が進まないようにする対策」としておくことも必要です。
専門業者は1坪2000円~
シロアリ駆除の費用は、「坪単価」で提示している業者が多数あります。薬剤や施工内容に調査で発見した状態に合わせた処置に必要なものが加算されていきます。シロアリ駆除の相場は、「1坪2000円」から始まり、5000円くらいまでが目安になっています。
シロアリ駆除にも、作業のケースはさまざまです。柱の補強工事、壁に穴を開けたり塞いだりして、追加料金がかさむことも多くあります。
プロフェッショナルな専門業者に依頼するからには、しっかりと事前調査行ってもらい、わかりやすく明確な見積りを作成してもらいましょう。事前確認がしっかりしていれば、業者とのトラブルも避けられます。
シロアリ駆除は専門分野!慎重に
かんたんにできるアイテムが揃い始めたシロアリ駆除。手軽なベイト工法であっても、効果のあるシロアリ駆除がおすすめです。お住まいの床下チェックや、住宅の建築資材により異なるシロアリの種類など、ときにはハードな調査にもなります。シロアリ駆除の経験がないと、セルフ作業だけでは再発を防ぐ効果が低くなることもあります。
コストを低く抑えられると思って実施したセルフのシロアリ対策でも、結局専門業者に依頼することになると、購入した対策アイテムなどの費用が上乗せされてしまいます。専門分野であるだけに、慎重にシロアリ駆除の方法を選択しましょう。