シロアリが1年中駆除できる理由とは
実は、シロアリ駆除に向いている季節や時期はありません。しかし春から夏にかけては、シロアリを目にすることが多くなるので、この時期に駆除すると効果があるのではないか、と思っている人もかなり多いのではないでしょうか。季節によって効果のあるなしに差が出るなら、効果的な時期に駆除すれば費用の節約になる、と考える人もいるかもしれません。
今回は、1年中シロアリ駆除できる理由について解説します。また、シロアリの種類によっても活動時期が違いますので、まずシロアリの種類による活動時期の違いについても説明しますのでご一読ください。
シロアリの駆除が1年中いつでもできる理由
シロアリの駆除が一年中いつでもできる理由は2点あります。
- ・現代社会の住環境がシロアリの活動を1年十可能にした
- ・目に見えない時期も活動を続けている
それぞれを細かく見ていきましょう。
現代社会の住環境によりシロアリも1年中活動可能に
一般的に、シロアリは低温だと活動が鈍くなります。しかし、現代社会の住環境は、シロアリにとって活動しやすいレベルにまで暖房を利かせるようになってきました。当然、シロアリたちにとってはその温度が活動しやすいものとなり、冬眠するタイミングを失ってしまったと考えてください。
目に見えない時期も活動を続けている
羽アリとして飛来してからのシロアリは、またなかなかお目見えしない食害の跡へ、それぞれの活動領域で活動を続けています。つまり、目に見えないから活動をしていないとはいえないのです。
シロアリの駆除は1年中できます。シロアリを見かけたらすぐ専門業者に連絡して、駆除を依頼してください。すでに被害がどの程度進行しているか分かりませんが、ほぼ間違いなく家のどこかはシロアリの被害に遭っている可能性大です。
シロアリを目にしていなくても、すでに被害に遭っている可能性も否定できません。シロアリの被害に遭っていないかどうかの確認方法についても見ていきましょう。
シロアリ種類とその特徴・活動時期
シロアリは、種類によってその特徴や活動時期が異なります。それぞれの白アリについて、特徴と活動時期を解説します。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは、北海道北部を除いてほぼ全国中に生息しているイエアリです(※1)。活動が活発になり、羽アリとして飛び始める時期は、本州で4~5月、温暖な沖縄では2月、冷涼な気候の東北・北海道は6月ごろ(※2)と気候の差によってずれがあります。
ヤマトシロアリは湿った場所を好むため、土の中や湿気を帯びがちな木材の下部を住処にしている場合が多いです。特に巣は作らないという点も特徴で、餌としている木材にそのまま住み着いています。加害の速度は比較的ゆっくりだといわれているシロアリです。
イエシロアリ
イエシロアリの生息地は、主に千葉県以西の太平洋側の海岸地域に集中している点が大きな特徴です(※1)。ヤマトシロアリに比べると分布しているエリアは狭く、羽アリとして活動する時期は6~7月(※2)と、ヤマトシロアリより遅めといえます。
ヤマトシロアリとは特性がずい分と違い、大きな巣を作ってときには何百万匹という単位で群生します。比較的乾いている木材でも、外部から水分を持ってきて乾燥した木材を湿らせながら食い荒らしていくという頭の良さも目を引く特徴です。
また、被害の進行が非常に早い点も大きな特性で、羽アリとして見かけてしまったらもうそのときにはかなり被害が進行しているかもしれません。できればシロアリ予防をして、被害に遭わないようにしたいイエアリです。
アメリカカンザイシロアリ
温暖な地域に、まばらに生息しているアメリカカンザイシロアリ(※1)。ヤマトシロアリと同じく巣を形成せず、食料にしている木材を食い荒らして穴を開けて道を作っていき、その中で生活しています。6~9月の昼間が活動期(※2)で、散発的に飛来する姿が見られるのはこの時期です。
ヤマトシロアリ・イエシロアリよりもさらに乾燥に強く、乾いた木材でも平気で食い荒らします。住んでいる穴の中から、砂っぽい細かい糞をたくさん出すところも他のシロアリと見分けるポイントとして知っておきましょう(※3)。
参考
- ※1 公益社団法人 日本しろあり対策協会:シロアリQ&A 生態に関すること Qわが国で建築物を加害するシロアリの種類と分布を教えてください
- ※2 公益社団法人 日本しろあり対策協会:シロアリQ&A 生態に関すること Q羽アリが飛ぶ時期はいつごろですか?
- ※3 公益社団法人 日本しろあり対策協会:シロアリQ&A 生態に関すること Q“乾材シロアリ”と言われるシロアリとはどんなシロアリですか
シロアリの被害に遭っていないかどうかの定期的なチェックは重要
シロアリの姿を見たかどうかに関係なく、シロアリの被害に遭っているかどうかを確認するチェック項目を紹介します。
- ・家を建ててから5年以上が経過している
- ・床板のきしみや畳がぶかぶかした踏み心地など、床の状態に変化が出ている
- ・何もしていないのに木材のそばに木屑が見られる
これらの条件に当てはまっていれば、早めに専門業者へシロアリチェックを依頼してください。特に家を建てて5年以上経過していたら、一度は床下のチェックを依頼しましょう。土台がやられてしまうと、修理費用も大きく場合によっては家の建て直しということになる可能性もゼロではありません。
そこまでひどい状況ではない場合でも、シロアリの予防処置をしてもらうと安心です。シロアリの専門業者に床下を点検してもらい、シロアリ対策が必要かどうかを判断してもらうといいでしょう。